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カテゴリ:KOREA( 10 )


2006年 01月 25日

クソ大家

 恐らく大阪ローカルニュース扱いなのだろうが、ちょっと目に留まったので。当然の判決とはいえ、まだこんな愚劣な心性のクソ大家が多いのだろうなぁ。「韓流ブーム」などで少しは風向きが変わったというような声も聞くのだが・・・。新婚で家探しをしていたという夫妻の心痛、いかばかりか。
 国籍を理由に民間賃貸住宅への入居を拒否したのは法の下の平等を保障した憲法などに違反するとして、兵庫県尼崎市の在日韓国人3世の夫妻が家主と仲介業者に慰謝料など約240万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が24日、神戸地裁尼崎支部であった。地裁は「差別」と認定し、家主に慰謝料など22万円の支払いを命じた。(毎日新聞) - 1月25日1時21分更新

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by tikatusin | 2006-01-25 12:22 | KOREA
2005年 12月 21日

疑惑の告発者

 先に指摘した韓国ソウル大の黄禹錫教授チームによるクローン技術研究をめぐる騒ぎが凄いことになってきた。185個の卵子にヒトの皮膚細胞を移植して11個の胚性幹細胞(ES細胞)をつくるのに成功し、世界を驚かせた米科学誌サイエンス(5月号)の論文が「でっち上げ」だった可能性が濃厚になったというのである。
 そればかりではない。クローン技術を使って世界で初めてヒトの体細胞と同じDNAを持つES細胞をつくったとされる昨年2月の黄教授チームの同誌論文にまで捏造疑惑が持ち上がっているのだ。韓国初となる科学分野でのノーベル賞受賞に最も近いとして韓国民の期待を一身に背負っていた黄教授の研究に突きつけられた疑惑が事実ならば、黄教授はもはや韓国民を欺いた希代の詐欺師といってもよい。韓国政府までもが全面支援の態勢を取っていたのだから。
 まあ、このあたりは日本のメディアも報じているし、真相はソウル大などが実施している調査結果を待たねばならない。それよりも今回触れたいのは疑惑発覚に大きく寄与したメディア報道について、である。
 一連の黄教授チームの研究をめぐる捏造疑惑発覚の原動力は、韓国MBCテレビによる調査報道だった。
 「PD手帳」と題するその番組は、社会的問題になっているテーマを追跡し、調査報道で実態に迫るという手法が売り物の情報番組だ。少々乱暴なつくりが気になることもあるのだが、今回の疑惑のすべての発火点は「PD手帳」による黄教授の研究に関する「倫理問題」の疑問提起だった。
 黄教授チームのES細胞研究は女性からの卵子提供が大前提となる。以前に触れた通り、生命の原点ともいうべき卵子を使用し、女性の体に負担を強い、クローン人間誕生にもつながりかねない研究には極めて高度な倫理が求められるが、実は黄教授チームの研究に使用された卵子提供女性の一部には「報奨金」が支払われ、研究チームの女性研究員までが提供者に加わっていたのである。これをスッパ抜いたのが「PD手帳」だった。
 だが、ノーベル賞への期待に加えて黄教授の研究が将来の基幹産業に育つとの思惑などもあり、熱狂的に黄教授を支持する世論はMBC報道を「国益に反する」と猛批判。「PD手帳」の取材過程で脅迫まがいの言動があったことも伝えられたことからMBCは四面楚歌となってしまった。
 「PD手帳」はさらに黄教授の研究自体への疑問を突きつけて追撃しようとしたが、世論の反発を受けて番組のスポンサーは次々降板。MBCは「会社創設以来で最大の危機」とまで伝えられる状態に陥ってしまったのである。
 結局は黄教授の共同研究者が仲間割れ(?)を起こして捏造疑惑を突如告発したため今回の騒ぎに至ったわけだが、MBC「PD手帳」の果敢な調査報道がなければ、今も「疑惑」は表面化していなかった可能性が強い。そういう意味でMBC報道の果たした役割は限りなく大きい。
 記憶によれば、「PD手帳」は問題の告発番組で「真実を我々の手できちんと明らかにすることこそ『国益』になる」というようなことを訴えていた。その通りだ。取材手法や番組の姿勢に若干の問題点があるのは否定できないが、世の大勢に抗って敢然と問題を指摘したMBCの佇まいこそジャーナリズムの立ち位置を教えてくれている。MBC、ガンバレ!である。
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by tikatusin | 2005-12-21 00:45 | KOREA
2005年 12月 05日

「情報機関」の闇

c0062756_1753050.jpg はや師走。超多忙のため更新が滞った間に気になったニュースから。
 あまり日本では報じられていないが、お隣の韓国では今、2つの話題でもちきりだ。1つは本ブログでも以前取り上げたソウル大・黄禹錫教授チームのクローン技術研究をめぐる「倫理問題」。もう1つは情報機関の国家情報院による「不法盗聴事件」である。
 前者はMBCテレビが研究をめぐる倫理的問題点を調査報道で指摘し、黄教授を支持するネット勢力によるMBC批判が沸騰、盧武鉉大統領までがネット世論に自制を求める騒ぎが沸き起こった。ところが今度はそのMBCの取材方法に「倫理問題」があった疑いが浮上し、現在は報道の有り様をめぐる議論にまで発展している。実に興味深いのだが、これはまたの機会に触れるとして、今回は後者の不法盗聴問題について。

 これも以前に本ブログで触れたことがあるが、問題の発端は国家情報院の前身、国家安全企画部(安企部)が金泳三政権期に極秘運営した不法盗聴組織による盗聴資料の流出事件だった。
 韓国メディアが「Xファイル」と呼ぶ資料には最大財閥・サムスングループ幹部と保守系有力紙・中央日報の社長が違法政治献金を謀議する会話内容が盛り込まれていたため大騒ぎになったが、これが金大中政権に飛び火。盗聴組織が継続して暗躍していた疑いが浮上し、検察は金大中政権で国家情報院長を務めた2人を逮捕・起訴したのである。
 検察によれば、金大中政権下での国家情報院の盗聴も広範囲で、盗聴担当の「科学保安局=第8局」が24時間態勢で稼働。盗聴対象は与野党の有力政治家はおろか閣僚、KBSテレビ社長や東亜日報社長らメディア幹部の電話にまで及び、2人の元院長も盗聴結果の報告を受けていたと起訴状には記されている。

 さて、言うまでもなく金大中氏といえば朴正煕ー全斗煥と連なる軍事政権下における民主化運動の闘士である。朴正煕政権期には安企部と国家情報院の前身である韓国中央情報部(KCIA)によって東京で拉致され、九死に一生を得たこともある。いわばKCIAー安企部は金大中氏にとって敵そのものだった。
 現実に金大中氏は大統領就任後、情報機関の不法行為根絶を訴え、安企部を組織改革して国家情報院として再出発させている。その金大中政権ですら組織的な不法盗聴が継続されていたというのだから波紋を呼ぶのは当然だろう。
 もちろん、「人権大統領の名声失墜」(11月17日付『産経新聞』)などとはしゃぐのは論外。軍事政権下で「泣く子も黙る」と評されるほど暗躍し、超法規的な権力の核心として盗聴どころではない悪逆非道の限りを尽くしたのがKCIAー安企部であり、金泳三政権期に比べても金大中政権期の盗聴は小規模だったはずだ。
 実際、保守野党ハンナラ党が金大中政権期の盗聴に関して国家賠償訴訟を起こす方針を示すと、超保守新聞として知られる朝鮮日報ですら「ハンナラ党が与党だった当時の安企部の違法盗聴は金大中政権よりもひどかった」とし、ハンナラ党の主張を「寝言」と一蹴している。普段は愚にもつかないクソ保守論調を振りまく朝鮮日報もたまにはマトモなことを書く(笑)。
 それはともかく、今のところ逮捕・起訴された2人の元院長は容疑を否認し、金大中氏も検察捜査は不当だとの考えを示している。客観的には、軍事政権下でやりたい放題だった情報機関のが金泳三〜金大中という民主政権に移行する中で徐々に遵法化してきたが、盗聴は惰性・慣性的に続いていたと見るのが妥当なところだろう。
 
 だがしかし、とも思う。惰性や慣習で続いていたというにはいかにも規模が大きい。当たり前の話といえばそうなのだが、やはり金大中政権だろうがなんだろうが、情報機関なるものが強大な組織機構を維持していれば、厚い闇のベールの向こうでこうした不法行為は途絶えることなく繰り広げられるのである。いわば盗聴やら何やらといった不法行為は、強大な情報機関なるものが抱える宿痾なのだ。
 情報機関などが権勢を誇っている国がロクでもないのは洋の東西、思想の左右を問わない。日本でも相変わらず「力のある情報機関の創設を」などという論議が途絶えることなく溢れ出ているが(例えばこうしたやこうした等々)、今の自民党政権下などで「力のある情報機関」などが現出したら、薄ら寒い風景が広がるのは間違いない。
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by tikatusin | 2005-12-05 17:20 | KOREA
2005年 10月 14日

下劣の証明

 韓国有力紙、中央日報が日本語ホームページを開設してから随分経つが、その最大の「特徴」は、記事ごとに匿名で書き込み可能なコメント欄があること。
 こんなことしたらアホな日本のネトウヨに荒らしまくられるのは最初っから分かってたはずだろうに、案の定というかなんというか、今やコメントの9割は頭が割れるほど下品で薄汚い書き込みのオンパレードだ。

 それでも我慢していくつかのコメント欄を眺めてみると、「中央日報さん、日本語ホームページの運営方法を考え直すべきなのでは」などという書き込みも散見されるが、中央日報側はまったく動じる様子なし。クズコメントを寛容にも受け入れ続け、中には1つの記事に1000件近くも(!)の愚劣な書き込みがぶら下がっている。
 いや実はこれ、もしかして日本のアホウどもがいかに愚劣で下品で知性が低くてレイシズムに毒されているかを世に広く晒して知らしめるための高度な計算でもあるんじゃないだろうか・・・なんて思ってしまうほどにハズカシイ。
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by tikatusin | 2005-10-14 17:00 | KOREA
2005年 09月 30日

頭のおかしな日本人

 韓国の通信社、聯合ニュースから30日にちょっと興味深い記事が配信されていたので紹介。「日本の人気芸能人、韓国と韓国人を冒涜し“物議”」と題した東京発の記事である。一部を略すが、基本的にカッコ内も含めてすべて原文通りだ。
 
 (東京=聯合ニュース)吉本興業所属の人気芸能人、勝谷誠彦が自身のブログに韓国と韓国人、在日同胞らを冒涜し、差別する文章を連日掲載して物議を醸している。
 民団東京本部によると、勝谷は韓国と韓国人を「愛人国家」「頭のおかしな奴」「三等国」などと表現した文章を相次ぎアップしている。
 『週刊文春』記者などで活躍してフリーとして活動し始めた勝谷は民放などに出演する人気芸能人で、彼のブログは1日2万人以上、累計で1500万件のアクセスがある。
 民団によると、5月9日の文章には韓国と韓民族に対し「結局、その国には独立自尊精神がなく、支那(中国の蔑視的表現)の属国としてあることは最も愉快な『愛人国家』」などと主張した。
 6月3日には「隣に住む頭のおかしい奴が他人の庭でしたいことをしても対処できない国家に安心して住むことができない」と記述。8月16日には「靖国神社で西村真悟氏と対談した。二人は『支那はアジアでない』という認識で一致した。韓半島は国家とすらいえない(笑)・・・」との内容の文がアップされた。
 「三国人」という表現が外国人への差別だとの世論が起きると「今後は三国人ではなく『人間の道から外れた国家の人(外道国家人)』との意味で「外国人」と呼ぼう」とも記した。

 一応、日本ではフリーライターと認識されているのであろう勝谷氏を「吉本興業所属の人気芸能人」と記したのは愛嬌か皮肉か(笑)。その勝谷氏のホームページについては以前、何度か眺めたことがあったが、あまりの品性下劣さに嫌気が差して最近は見る気も起きなかった。それでも記事を受けてあらためて眺めてみると、相変わらず・・というより、下劣さにターボがかかっている状況のようだ(苦笑)。上記記事に引用された部分などまだ可愛い方で、差別と偏見のオンパレードとしかいいようがない。最近では「黒人=佃煮」などという表現も物議を醸したとか。困ったオッサンである。
 個人的にはどのような言論だろうと言論自体を制御しようとする一切の動きに反対だが、聯合ニュースの配信記事を受けて韓国側がどんな反応を見せるか。「頭のおかしな日本人」の戯言と受け流してくれればいいが、いかに反日感情が高まっている韓国とはいえ、聯合ニュースのようなメジャーメディアが個人ホームページを批判的に取り上げるのは異例。大手韓国紙のホームページにも配信記事が多数掲載されているようだ。
 しかし、韓国側が受け流さずに反発を示したりすると、勝谷氏のような人物は恐らく逆に大喜びするのだろうなぁ。実に困ったものである。
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by tikatusin | 2005-09-30 21:09 | KOREA
2005年 05月 29日

複製人間

 最近気になったニュースから。5月20日付の「朝日新聞」が一面トップで報じたほか、同日付各紙も1面で大きく伝えたところなどによると、韓国・ソウル大の黄禹錫教授チームがクローン技術を利用して難病患者のES細胞(胚性幹細胞)生成に世界で初めて成功したのだという。

 こうした分野を専門としている訳でも何でもないのだが、各メディアの報道などをもとに今回の研究をごく大雑把に記せば
1)女性から提供を受けた卵子から核を抜き
2)代わりに難病患者の皮膚から取り出した核を入れて「クローン胚」を作成
3)これをもとにし、あらゆる細胞に成長可能なES細胞(胚性幹細胞)をつくるのに成功した
 ーということのようだ。ES細胞生成率の大幅向上を成し遂げたことも意義深いらしい。

 さて、こうしてできたES細胞は皮膚細胞を提供した難病患者とDNAなどが一致する。そしてES細胞はあらゆる組織に成長可能という特質を持つらしく、理論上は拒絶反応のない臓器や組織の生成が可能となる。例えば糖尿病患者ならインシュリンを分泌する組織をつくって患者に移植すれば根本的な治療になり、つまりは自分の臓器や組織をつくって病気を根本治療するという、いわば「究極の医療」が可能になるかもしれないというのである。難病患者にとっては待望の朗報。まだ技術的には難題が数多く残っているようだが、実現すれば確かに画期的成果といえるだろう。

 ただ、周知の通り「クローン胚」を女性の子宮に戻すと「クローン人間」が誕生する。こうした理由から世界各国でもクローン胚研究を許可している国と禁じている国とが割れているのだという。もちろん「クローン人間」を許している国などないと思われるが、例えば今回の研究が行われた韓国は「クローン人間」を禁じつつ医療目的での研究は許可。日本もほぼ同様の方向だが、実際にはまだ「指針」作りに手間取っているらしい。
 一方、米国は完全禁止。米議会は限定容認を目指す動きが過半数を超える勢力になっているが、ブッシュ大統領は初の拒否権行使までほのめかしており、研究にゴーサインが出るかどうかは不透明だ。世界的に見ると、今年3月に国連総会は治療目的も含むすべてのクローン技術研究を禁ずる政治宣言を賛成多数(賛成84カ国、反対34、棄権37)で可決している。賛成は米国やイタリア、中南米諸国など。日本や韓国は反対に回り、中国やベルギー、シンガポールなども反対したという。完全禁止派はキリスト教国が多いのが特色で、宣言には法的拘束力はないとはいうものの“世界の多数派”は完全禁止を訴えている、というのが実情のようだ。

 こうした状況下での黄教授チームの研究「成功」に関しては、「国際的コンセンサスも出来ていない段階で功を焦っている」との批判もあるらしい。もちろんブッシュのようにゴリゴリの「キリスト教原理主義」的発想に基づく「絶対容認できない」論に強い違和感を禁じ得ないし、科学者の研究を、それも医療目的に限定した上での研究を宗教原理主義的な立場から全面禁止するのは論外だろう。何より今この瞬間も苦しんでいる難病患者を救えるかもしれない技術だとするなら、である。

 もちろん現状の技術では女性の卵子提供が必要という部分に引っかかりもある。黄教授チームは今回の研究だけで180個以上の卵子を使い、このうちES細胞生成に成功したのは11個だったという。これでも大幅な技術向上なのだといい、今後は成功率も一層高まるだろうとはいうものの膨大な卵子提供を必要とする部分には抵抗感も残る。
 しかし、「クローン人間」への道を厳密に塞ぎつつ、治療目的での研究は進めて行くべきだ、というのが常識的な線だろう。

 ところで、だ。つらつら考えてみるに、この技術がどんどん進化・発展していくと、前述したように「自分の臓器や組織」をつかった「究極の医療」が可能になるわけであり、まさに「夢の技術」なのだが、素人であることを敢えて繰り返した上で記せば「病気というものがほとんどない」世界になるかもしれないのである。突き詰めて行けば、「生命の価値」というのが大きなパラダイム転換を起こす可能性すらあるのではないか。
 仮に「クローン人間」ではなくとも、「自分の(臓器などの)クローン」が常に存在する、あるいは「製造」が可能な世界になるかもしれない。医療とは、どこまでが許容され、どこからが許容されないのか。例えば今回の研究成果の応用が期待されると各紙が書いている糖尿病や骨髄移植などはいいとして、臓器の一つとしての「脳」のクローン生成はどうなのか、どこで線を引くのか。

 これらはもちろん妄想である。だが、妄想ついでにいえば、ある独裁国家を率いる独裁者が自らに忠誠を尽くす人間のクローンをつくり始めたら相当に薄気味悪い情景が生まれるのではないか。例えばホロコーストという悪夢を実行に移したドイツ・ナチ、悪夢の人体実験に手を染めた旧日本軍の731部隊、あるいは核兵器開発を振りかざして瀬戸際外交を繰り広げる彼の国と、クローン技術が結びついたならー。大量破壊兵器と同等の、ある意味ではそれ以上に気味の悪い情景が生まれる可能性もあるのではないか・・・。

 自動車事故があるから自動車を禁止するのがナンセンスなのと同様、クローン技術も危険性ばかりに焦点を当てるのは無意味だろう。そしてもう一度繰り返すが、難病患者を救うかもしれない技術の研究を教条的な宗教原理主義で押さえつけるのは論外である。ただ、この技術の行く末を考えると、早期の国際的コンセンサスと枠組み作りが必要という気がするのである。
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by tikatusin | 2005-05-29 02:28 | KOREA
2005年 04月 01日

連帯への希望

 何とはなくネット遊泳をしていたら、韓国のネット紙「オーマイニュース」にこんな記事を見つけた。既に相当有名になった「オーマイニュース」だが、あらためて説明すれば「すべての市民は記者だ」「ニュースゲリラたちのニュース連帯」を合言葉に創刊され、韓国で大手紙にならぶ影響力を誇るようになったネット新聞である。
 2回続いての竹島(韓国名では独島)などをめぐる日韓摩擦の話題だが、前回の「熱狂の不快」に関して明快に論じられた極めて示唆に富んだ記事だ。筆者は市民団体の幹部。もちろん大前提に「過去史や隣国への日本の不誠実な態度」が今回の問題の根底に沈殿していることを肝に銘じて読まねばならず、当然ながら「韓国にもこんな意見が」と嬉々とする自慰史観的な妄想勢力の行態とは徹底的に一線を画したい(笑)。
 いずれにせよ、こうした声が存在する限り、日韓の連帯は可能だ。希望を捨ててはならない。
 少々長文だが、ごく一部を略し、若干の意訳を加えたことを断った上でほぼ全文を紹介する。

ーーーーーーーーーーー

◎独島問題に興奮するあなたへ(イ・テギョン記者)

 独島問題で国中が騒いでいる。日本の島根県が条例で「竹島の日」を制定したのに触発されたこの事態は、一貫して微温的な日本政府の態度と間欠的に飛び出す日本の右翼人士らの妄言が加わり、ますます盛り上がっている。
 独島問題をめぐる日本政府と日本内の一部右翼人士等の態度が常に韓国政府と国民の眉間のしわをしかめさせることであることは今更言うまでもない。もちろん一部では最近の独島問題に関する日本政府の行動が以前とは異なる次元のものではないのかとの疑惑の視線があるにしても、だ。

 本当に心配しなければならないのは独島問題に対する国民たちの反応だ。今回の事態が起きた直後、大多数の国民が見せた対日感情の濃度とその表現方法は極めて激烈だった。街角では「独島はわが地」という昔の歌が新しいバージョンに衣替えして終始流れ、バラエティー番組やCMでも独島を題材にした内容が溢れている。
 また、興奮を抑えられない一部市民は指を切り、焼身自殺までためらわず、性急な一部ネチズン(ネット市民)は独島をめぐって起きる韓国と日本の武力衝突についての仮想シナリオを書くのに余念がないという状態だ。
 反日感情で熱くなった国民を鎮静させ、冷静に解決法を模索しなければならない与野党の政治家と知識人まで尻馬に乗って激高し、マンガにでも出てくるような話を口を揃えてするのを見ると溜息が出る。
 しかし興奮を抑え、一歩下がって今回の独島事態から学ぶことが何かをじっくりと考えてみると、期待できなかった成果を得ることもできる。
 もちろん今回の事態の直接的な原因の提供者は、植民統治に対して真の反省と謝罪をしないばかりか、独島問題を対外膨張のテコに利用しようとする日本政府と日本内部の極右勢力だということができるが、裏面に潜む何かが存在する。
 日本とのサッカーの試合に韓国の国民を熱狂させ、5000年の血統であることを誇らしく話すそれは、ほかでもない「民族」という存在だ。

 良く知られるように「民族」という存在は日帝植民統治を経験した韓国社会で神聖不可侵の絶対線だった。この民族の、侵略と支配を受けた経験は民族全体に一種のトラウマとして残り、民族、あるいは国家という概念はどのような場合にも譲歩できない至高の価値に引き上げられた。
 実は非常に抽象的な概念だけに、一部学者たちによると「民族」は「近代の発明品の一つ」とまで評されている。近代以降、人類は膨張的な民族主義から抵抗的な民族主義にいたる多様な形態の民族主義を経験し、依然として世界のいたるところで民族主義の勢いは凄まじい状況だ。
 とすれば、今も強い力を轟かせる民族主義が人類に与えたものは福音だったのか、でなければ災害に近いものだったのか?。肯定的に評価される抵抗的な民族主義ですら、事態が変わればいつでも膨張的な民族主義に転嫁する可能性を内蔵しているという事実からわかるように、民族主義が人類に与えた害悪は有益よりむしろ大きく見える。

 本来、民族主義とは胎生的に他民族への排斥を生まれもって孕んで生まれたという点で、「差別と排斥の原理」が作動するほかはない。そして「差別と排斥の原理」が作動する限り、人類が既に経験し、今も進行している民族間の争いの原因となる惨劇を避ける道はないように見える。
 古くはナチスによるユダヤ人虐殺から、近くではユダヤ人によるパレスチナ人への弾圧に至るまで、民族主義が人類の精神と肉体に残した傷は簡単に癒せないほど深い。
 民族主義から民族を抽出することはできないのか、と?。理論上では可能かも知れないが、現実的には可能ではないだろう。同一の血統と言語、集団的記憶と文化を共有する人々の集合を民族だとすることは概念上では許されるだろうが、ひとりひとりの個人を特定民族で規定する作業は現実的にやさしいことではない。
 民族主義を先導する現実のすべての矛盾と病弊を隠蔽し、外的に転嫁を試みる支配階級と、彼らの先導に簡単に応じる大衆が各民族の中に温存している限りは一層そうであろう。

 最近の独島事態の本質もやはり民族主義の範疇から大きく外れてはいないように見える。米国の庇護を受けて独島事態を挑発する日本にせよ、軍備増強と米韓同盟の強化でこれに対置しようとする韓国、双方から民族主義の気配が強く読みとれる。
 日本政府と右翼人士らは一貫して膨張的民族主義を求めたという点で一貫性もあるが、親日反民族行為者の清算に消極的で独島問題にも関心を見せなかった韓国政府と国民の過去の経験に照らしてみれば、その激烈な反応は多少身の程知らずに見えるのも事実だ。
 しかし同じ血統にあると考える朝鮮族らに対する韓国人の態度を見れば、民族と血統による情がそれほど深いようにも思えない。
 むしろ独島事態をめぐって広がる反日感情と民族意識は、大きくなった国力と2002年ワールドカップの経験などで生成された民族的自信感にその根を下ろしていると見るのが妥当だろう。そして、こうした自信感は、少し間違えば排他的で攻撃的な民族主義に変わる可能性がある。

 したがって、独島領有権をめぐって広がる一連の事態に民族主義、ないしは国家主義の視点で接近するのは非常に危険だ。領土守護という一見もっともらしく見える名分にも関わらず、独島問題を民族対決の構図で追い立てていくのは韓国と日本の国民すべてに不幸な結果を招来する。
 急激に軍事大国へと駆け上がる日本と民族主義の過剰に悩む韓国が、高揚する両国間の緊張を和らげて平和共存を模索するならば、両国の良心的市民が連帯し、組織化し、世論を醸成し、両国政府に圧力をかけることが最も効果的だ。
 間違いなく戦争の最大の被害者は社会的弱者であり、支配階級は安全だったとの歴史の経験を決して忘れてはならない。
 いまや韓国人も亡霊のように現れる民族主義の呪術から解き放たれる時が来た。
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by tikatusin | 2005-04-01 01:08 | KOREA
2005年 02月 02日

韓国の戸籍制度

 韓国では最近、日本が植民地統治していた時代に皇民化政策に沿って改変した戸籍制廃止に向けた動きが加速している。
 何かと韓国内の「反日運動」が日本では話題となるが、今回の動きは「反日」とは無関係。背後にあるのは韓国内での急速な人権意識の高まりで、戸籍制が人権侵害と男女差別の温床になっているとの至極当然の訴えが日の目を見つつあるのだ。正直なところ、これが実現すれば日本などよりずっと先進的な制度が韓国に生まれることになりそうだ。

 韓国の戸籍制は、日本では戦後の民法改正で廃止された「戸主制」が今も残されている。もともと夫婦別姓の韓国では日本のような「別姓論議」は起きていないが、一家を代表する戸主は男性の継承が優先されて権限も強い。子供の姓は父方のものを強制されるなど性差別的な要素が色濃く、人権や男女平等意識の高まりを背景に、女性団体や人権団体は新制度の創設を訴えてきた。

 「保革」が緊張を続ける政界でも、与野党が戸主制廃止では一致。国会の小委員会で民法改正には基本合意し、昨年十二月には国会の半数を超える与野党の男性議員百五十二人が廃止を求める声明を出したのに続き、韓国で戸籍制を統括する立場にある大法院(最高裁)も1月、戸主制廃止に伴う「代案」を提示した。
 この代案を簡単に紹介すれば、国民一人ずつに身分登録簿を作成し、本人のほか両親と配偶者、子供を記載するというもの。いわば「一人一籍制度」案といえ、日本の民法や戸籍専門家によれば、事実上の戸籍廃止といえる内容で、実現すれば日本よりずっと先進的な制度になる。一部には「家族事項記載はプライバシー侵害や差別の温床になる」との不満も残っているようだが、子供が母方の姓を選択することも可能となり、市民団体なども「全体的に納得できる内容」と歓迎ムードだ。

 何故か韓国新聞界では圧倒的主流として幅をきかす超保守新聞の代表格、朝鮮日報などは「伝統的な家族概念を急激に変化させない別の案を」と大法院案に懐疑的だが、同じ保守でも穏健保守系の中央日報は「大法院案は両性平等という時代精神に比較的忠実」と評価している。さらに法務部も最近になって大法院案と同じ骨格の代案を示しており、順調に行けば2月に国会で民法改正が実現する見通しが高まっている。

 戸籍性の問題点はさまざま指摘されているが、韓国の最近の動きを見ていると、「選択的夫婦別姓案」ですら「家族の崩壊につながる」などと妄言を吐いて受け入れないトンデモ保守政治家が跋扈する日本に比べれば、よほど人権意識においても韓国の方が真っ当か分かるというものだろう。
 だいたい、「夫婦別姓は家族崩壊につながる」などと吠えるアホ政治家に限って子供はボンボン不良のクサレ外道なんていうケースが多い。「鮫の脳みそ」こと、我らが前首相とかね。お前の家の崩壊を先に心配しろ!、と思わず突っ込みたくなるほど(笑)。こんな連中が「愛国心を強調した教育基本法の制定を」なんて叫び、「教育族」などと呼ばれて跋扈しているのだから泣きたくなる。
 話はそれたが、植民地支配の名残ともいえる戸籍制を捨て去り、日本より個人の尊厳を重視した制度を目指す韓国の動きは当面、要注目である。
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by tikatusin | 2005-02-02 16:48 | KOREA
2005年 01月 26日

哀しき日本

 何か日々鬱屈ばかりを発しているが、やはり今日も発せざるを得ない。東京都が外国人の管理職試験の受験を拒否した措置をめぐる最高裁判決のことである。
 報道によれば、判決は「合憲」。最高裁が東京都の判断にお墨付きを与えたのだ。アホである。クズである。もうどうしようもないほどのクサレ判決である。
 ここで外国人の地方参政権などといった“高尚”な議論にまでは立ち入らない。しかし、今回の事案のように特別永住者にすら、たかが(あえて「たかが」と言う)地方公務員の管理職の門戸を閉ざすというのは、前近代的という以上に在日韓国・朝鮮人が抱えてきた歴史への無知蒙昧、歴史に翻弄されてきた人々への想像力と思いやりが徹頭徹尾欠けた判断というほかはない。
 寡聞にして知らなかったが、原告の鄭香均さんは韓国人の父と日本人の母を持つという。日本で生まれ、育ち、貧困の中で大学進学を断念したものの「白衣の天使なら国籍は関係ない」との思いから看護師になったという。彼女の「日本」への思い、「故郷」「祖国」への思いを想像すれば胸が痛む。なぜ彼女は「韓国人」なのか。なぜ「日本で生まれ、育った」のか…………。
 鄭さんは判決後、真っ赤な目をしてこう言ったという。
 「幼稚な判決にあきれ果てた。植民地や戦後処理の問題に正面から取り組もうとしない日本の姿勢があらためてはっきりした。歴史も振り返らずに、国際貢献などできるはずがない。日本は哀れな国だ」
 歴史も振り返らずに、国際貢献などできるはずがないー。その言葉、よく耳を開いて聞け、アホどもよ。(1/26)
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by tikatusin | 2005-01-26 16:42 | KOREA
2005年 01月 18日

傲慢な公僕

 下記の外交文書の件で日本の外務省に電話。日本では日韓国交正常化交渉に関する外交文書を基本的に非公開としており、その理由や現状を尋ねるのが目的だったが、あまりの高慢ぶりに絶句した。

 日本政府は30年を過ぎた外交文書は原則的に公開し、外交的波紋などが憂慮される場合に限り非公開措置を取っていると認識していた(実際には「外交的波紋」という理屈を悪用して非公開範囲を必死に広げているのが実態なのだろうが、とりあえずここでは触れない)が、担当者はこの認識を一笑に付した上でこう言った。

 「外交文書を30年で公開しなければいけないなどという義務はどこにもない。むしろ30年を過ぎたものに関して我々が自主的に公開しているのだ」

 要するに、こう言いたいらしい。「義務もないものを公開してさしあげてるのだ。非公開などという批判をするのは的外れで、勘違いしないでほしい」。こいつ、アホだろうか。率直に言って韓国政府の公開措置に比べ日本政府の文書非公開姿勢は時代に逆行しているのではないかと思っていたが、外務省担当者の傲慢な認識は時代に逆行などというレベルを遙かに超えている。

 かつて外務省に勤務した経験を持つ知人と話したら、知人曰く「あの役所はとにかく何でも秘密にしちゃうから。外国の新聞を翻訳しただけのものまで取り扱い注意指定にするくらいだからね。体質だよ、体質」とのこと。まったく暗然とするしかない。

 そう、もはや日本より韓国の方が先進国なのだ。少なくとも情報公開や国民の知る権利に応えるという「公僕」の意識と実践に向けた意思の上で。(1/18)
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by tikatusin | 2005-01-18 16:37 | KOREA