地下通信 [chika-tsûshin]

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2006年 02月 15日

預言者と現人神

c0062756_237299.jpg イスラム教の預言者ムハンマドの風刺画問題。騒動は拡散する一方の様相だが、日本メディアはイスラム教徒に広がる怒りを「まったく理解できない」かのようにトボけた姿勢で伝えるか、せいぜいが「言論の自由」と「抑圧されたイスラムの怒り」を対称に配置し、「難しい問題だ」などと高見に立った“分析”を加えてみせる程度だ。だが、ムハンマドほどではないにせよ、我がニッポン国に同じようなテーマがあることは知らぬふりで頬被りしたままだ。

 そう、天皇制である。天皇制という極めて「局地的な信仰対象」であるためイスラム教の預言者ほどの世界的広がりや世界的話題をふりまかないが(苦笑)、果たして今のニッポン国で天皇、あるいは皇室関係者の「風刺画」が許容されるか。大手メディアが今上天皇や皇太子夫妻、あるいは秋篠宮夫妻らの「風刺画」を掲載したら、「表現の自由」の範囲内として果たして許容されるのかー。
 言うまでもなく決して許容されないだろう。かつての嶋中事件はもちろん、休刊した『噂の真相』は昭和天皇のポルノ合成イラストで右翼の猛攻撃を受けたし、類似の表現行為に対する攻撃や圧力は枚挙にいとまがない。天皇制の風刺は暴力の報復が確実であり、昭和天皇死去の際は「癌だ」と単なる事実を報じたに過ぎぬ外国メディアにまで宮内庁が厳重抗議している。一方、最近で言えば紀子妃の懐妊などをめぐる報道は、相も変わらず歯の浮くようなオベンチャラのオンパレードに過ぎぬではないか。

 個人的には、あらゆる問題において「言論・表現の自由」を尊重する立場を取る。しかし、足下に転がる類似の最大タブーには知らぬふりを決め込み、遠く中東や欧州を睨んで「表現の自由」などをもっともらしく語るのは滑稽でしかない。
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by tikatusin | 2006-02-15 23:11 | メディア


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